はじめに
こんにちは。柿井です。
この記事では『武田友紀(著)「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』という書籍を読んだ感想を記載します!
こんな方におすすめ
- 周囲の出来事に過敏に反応することで、心身に疲れを感じてる方
- 良くも悪くも、周りに比べて感情の起伏が激しいと感じている方
- ハイリーセンシティブパーソン(Highly sensitive person,HSP)とは何かを知りたい方
本書を手にとったきっかけ
昔から周りの人達に比べて心身ともに疲れを感じやすい人間でしたが、日ごろからあまり運動をしないこともあり、体力不足によるものだと思って過ごしてきました。
その後社会人になって数年、以前にも増して体力不足を感じるとともに、精神面でも不調を感じることが多くなりました(漠然と不安になる、やる気が起こらない等)。
運動不足以外の原因を考えたとき、周囲の言動や出来事に対して過敏に反応している自分に気づきました。
周囲の言動など気にならないようメンタルを鍛えれば良いのか、その場合どう鍛えるのか。
また、過敏に反応する心に対してあらゆる感情をシャットアウトするように努めるのか。。。
どの対応策もピンとこなかったときに、Twitterで「HSP」を解説する漫画ツイートを見つけました。
ざっくりいうと、HSPとは「人よりも生まれつき繊細な人」を指すとのことでした。
このツイートに共感するとともに、HSPに関する書籍が読みたくて書店へ向かった際に本書を見つけました。
本書ではHSPを「繊細さん」と呼び、初心者にも分かりやすい内容になっています。
なにより、そんな繊細さんの生き方を尊重しつつ、現代で生きるための具体的なアドバイスや対処法が多く記されていたことに感動しました。
以下に、本書の中でも特に参考となった文章を、感想とともに記載します。皆さんにも参考になれば幸いです。
※読みやすくご覧いただくため、本書より一部抜粋/編集しております。ご了承ください。
柿井的ヒットポイント
「繊細さ」は、性格上の課題ではなく、生まれ持った気質である可能性が高い。
繊細な人が「鈍感になろうとする」「気づかないようにする」ことは、自信を否定すること。
むしろ、自分の繊細な感性を大切にすることで楽になる(P.4)
本をめくって数ページ目で、「自分のことだ!」と雷に打たれたような衝撃を受けました。
また、これまで読んだ書籍では、メンタルを鍛えることを中心に書かれたものが多かったため、この感性を矯正せず受け入れるとの考えは新鮮でした。
同時に、「こんなに弱いメンタルを持つ自分は、社会人失格のダメ人間なんだ。。。」と考えていた時に読んだため、とても救われる文章でした。
自分にとって「良いもの」も「つらいもの/痛いもの」も、感じるのは同じ感覚。半自動的にキャッチしてしまう(P.25)
良いものも嫌なものも、感じるのは同じ感覚。
感覚を麻痺させすぎると嫌なものを感じにくくなるけど、喜びやときめきも感じにくくなる。
⇒ストレスの原因となる刺激を「モノ」を使って物理的に防ぐ。
刺激を感じる「五感」のうち、鋭い感覚から対応すると効果的(P62)
「つらいもの/痛いもの」や「ストレス」が多い状況では、「良いもの」があっても感じにくくなる。(P26)
「繊細さん」に必要なのは、痛みやストレスに耐えるように自分を作り変えることではなく、
自分の本音(「これが好き」「こうしたい」)をどれだけ大切にできるかが大切(P.27)
本記載を読んでから、自分にとって良いものや好きなことをあらためて整理しました。
例えば実生活の中で、怒りや愚痴といったネガティブな感情を出す人を避けてみたり、そのようなTV番組を見ないようにしたところ、想像以上に心に余裕を持つことができました。
またTwitter上では、趣味のダイビングやアニメや漫画に関する情報を積極的に収集するよう努めたことで、画面を開くたびに心がウキウキして楽しくなりました。
(スマホのやりすぎは、それはそれで良くないですが笑)
表情/仕草/声のトーン/話の内容など、人は情報の塊。
それらの情報が刺激となり、許容量を超えると誰かと一緒にいることが疲れてしまう。
⇒ひとりでゆっくりと心を休めることが必要(P.31-34)
相手の情報や感情を受け取りすぎないように「境界線」を引くことが大切(P.116)
例)
テレビの中の人が話しているとイメージする
透明な壁をイメージする
モノ(ペン、グラス等なんでもOK)を置く
体を離す(椅子を引く、半歩下がる)
周囲の言動に悩まされていた自分にとって、この具体的な対応策はありがたかったです。
また、情報の塊である人間が必然的に少なくなるため、始めた当初よりもダイビングにハマっている理由の1つなのかなと思いました。
あと、学生時代に悩んでいた「とても気の合う友達だが、不定期で関わりを断ちたくなる」といった感情も、おそらくその友達といる時間が長すぎて刺激を受けすぎていたからなのかなぁ、と勝手に解釈して心が軽くなりました(苦笑)。
「繊細さん」は、内にも外にも感じる力が強い(P.20)
内:体調、自分の気持ち、アイディア
外:人の感情、場の雰囲気、光や音、気温、etc
楽しい予定の後にも休日(=空白日)を入れる
⇒楽しいイベントも刺激のうち(P.72)
飲み会やライブそのものは好きなのに疲れてしまうのは、体力不足以外にこの繊細さが関わっているからかもです。
この考えをもとに、イベントごとを体験した次の日はゆっくり休むようにしたところ、以前よりも自分のペースを大きく乱すことなく生活できるようになりました。
「自分の意見が無い」のではなく、正解や相手の求めるであろう意見を取り出そうとするあまり、思考が詰まって意見が無いように見えてしまう(P.50)
自分を出さないように「殻」をかぶっていると、その殻に合う人が集まってくる
⇒巣の自分を出すほど、自分に合う人が集まってくる(P.97)
生まれもったこの性質とこれまで育った環境もあり、自分は上記のように思われがちです。
ですが、実態と周囲からの評価が異なっているからといって結果的に損をしてしまうのであれば、少しでも改善しなければならないと感じました。
でも、単純に知識不足で変な意見を出したときは優しく指摘してください(笑)
「相手に伝わらない」のは、伝え方のせいでも相手の理解の問題でもなく、「心の深さが違うから」(P134-135)
⇒伝わらないことが孤独と感じたら、自分と同じ心の深さを持つ人を探してみることが大切
例)
自分が良いと感じたお店に、何度も足を運ぶ
内面を表現するイベント(音楽、芸術など)に参加する
SNSで自分の想いを発信する
自分の考えを共感してくれる人がいることって、とっても嬉しいものですよね。
そんな人たちがいる環境を探し出す/作り出すことが、これからの生き方に大切だと感じました(だからこそ、このブログを始めたところもあるんだなぁ。。。)
上記以外にも、ヒットポイントや参考となった文章が多くありました。こちらも参考になれば幸いです。
「繊細さん」に必要なのは、気にしないという言葉ではなく、具体的な対処方法(P.19-20)
「繊細さん」は完璧主義者ではない。
感じた小さな情報をつなぎ合わせて気が付いたことやリスクを対処しようとしているだけ(P.37)
「考えすぎて動けない」「ベストを求めすぎて動けない」と気づいたら、「とりあえず」を取り入れて少しでも動いてみる。
⇒結果的に物事が進み、考え続けることによる疲れも減る(P.41)
食べ物は心のバロメーター。食べ物を手掛かりに自分の状態を把握する(P.81)
「疲れた」のは自分に負荷をかけて頑張った証拠。自分に鞭打つのではなく、ねぎらって休むことが大切(P.85)
「自身が当たり前に感じる感覚が無い(=分からない)人もいる」ということに気づくことが大切。
⇒相手との違いを知り、時間をかけて少しずつ受け止めて関係を築く(P.94-95)
「繊細さん」のコミュニケーションには、言語外の情報(言葉のニュアンス/表情/声のトーン/過去のやり取り)が数多く含まれる。
⇒これらの情報に配慮してコミュニケーションを取れることはハイレベル。できない人がいる事にも気づく(P.102)
「繊細さん」は、相手の状況や立場に自然と配慮するため、人に頼るのが苦手(P.122)
⇒相手の状況を推測せず、言葉で確かめてみる。相手が引き受けたら、信じて任せる。お願いする前に、「良かったら」「無理じゃなかったら」などの一言を付けると依頼しやすい 。
「繊細さん」は、相手の様子や周囲の状況を細やかに感じ取り、過去の結果を参照しながら未来を予想する(P.129-133)
⇒相手よりも早く機器を察することで、頼まれなくても助けてしまう結果、非難されることもある。まずは、手出しも助言もせずに見守る
コミュニケーションは、「繊細さん」「非繊細さん」のどちらも自分の感覚を分かってもらおうとするのではなく、やってほしいことを言葉でハッキリと頼むことが大切(P144,153)
優先順位をつけるより、重要なものを1つ選んで、片付いたら再度選んで片付けるを繰り返す。
⇒それでも片付かないのは、仕事量が自分が行える範囲を超えている。周りに相談して仕事量を調整する。
不機嫌な人への対処法(P.183)
①ほっておく
②物理的な距離を取る
③相手ではなく自分をケアする
おわりに
本書を読むことで、自分が感じていた不調やマイナス面は、考え方や環境によってプラスに転じることに気づけて、救われるような思いになりました。
また一説によると、「日本人における繊細さん(HSP)の割合は『5人に1人』」らしいので、私のような悩みを持つ方がいらっしゃれば、一度本書を読むことをオススメします!
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