ベネチアで購入した木製模型ゴンドラを約10年越しに製作してみた!

はじめに

皆さんこんにちは、柿井です!

この記事では「イタリア:ベネチアで購入した木製模型ゴンドラを、約10年越しに製作してみた」際の体験談を記載します!

ゴンドラについて

ゴンドラとは

皆さんは「イタリア:ベネチア」で運用されている「ゴンドラ」という、手漕ぎの小型木造船をご存知でしょうか。

TVの旅行番組で目にしたり、東京ディズニーシーなどで実際に乗船してみた方も居られると思います。

小樽では、過去にベネチアで使用されていたゴンドラが展示されています!

また、名古屋では実際に乗船できる場所があったりと、国内でもゴンドラに触れられるスポットがあるんです!

ゴンドラは、前身の「スカウラ」という船から受け継がれる形で11世紀ごろに登場し、1800年代にはベネチアの入り組んだ水路に適した現在の形に発展していったそうです。

精巧な装飾が施された観光客用、水路や川向かいを渡るための移動用、生活用品や荷物の運搬用など、2024年現在も様々なシーンで活躍しています!

柿井とゴンドラ

私が初めてゴンドラの存在を知ったのは「漫画家:天野こずえ先生」が原作を手掛けた「ARIA」という作品でした。

実際のベネチアをモデルにした舞台にて、ゴンドラの漕ぎ手(作中では『ウンディーネ』や『水先案内人』とも呼ばれる)である主人公の暮らしと成長を題材にしています。

優しさで満ちた世界観を構成する各キャラやストーリーはもちろん、モデルとなったベネチアの風景や建築物の描き込みもとても素敵なんです!

原作の完結から10年以上が経過した現在でも根強い人気があり「作品内のモデルとなったベネチアに、ファンの皆さんと現地へ観に行きましょう!」との想いから、2024年2月にはいわゆる「聖地巡礼ツアー」が開催されたほどです!

多数の応募があったなか、幸運なことに私もツアーへ参加することができました!

ARIAはもちろん、イタリアやベネチアの文化にも、今まで以上に虜になっています!

木製模型ゴンドラとの出会い

2015年のベネチア旅行

上記の通り、2024年の聖地巡礼ツアーでベネチアを訪れましたが、実は2015年にもベネチア旅行したことがあります!

友人とともに約1週間の滞在でしたが、その際もARIAで描かれた風景や建築物を見ることをメインに様々な場所へ散策しました。

そのような旅程の最中で友人から「ベネチアらしさを感じられるお土産を購入したい!」との要望があり、立ち寄ったのが「Gilberto Penzo(ジルベルト・ペンゾ)」というお店でした!

代々続く船大工の家系だった店主さんが、ベネチアの船舶文化を後世に伝えるために様々な模型を製作・販売されるお店です!

私たちが来店した当時は、模型以外にも船舶に関連する部品も取り扱っていました。そのなかで友人は「フォルコラ」という、ゴンドラを漕ぐ時にオールの支点となるパーツを購入しました。

丁寧に仕上げられたフォルコラは「木材特有の温かな質感・深みのある照り・ずっしりとした安定感・独特の『うねり』のあるフォルム」と、単なるパーツというよりもインテリアのような美しさでした……(*´ω`*)

著名なコピーライター「糸井重里先生」も、フォルコラに芸術的な美しさを見出した一人です!

工房での制作過程を見学された様子を上記リンクから閲覧できるので、ぜひご覧ください!

私も同じフォルコラを購入しようとしましたが、職人さんお手製の商品で約10万円と高額だったため、泣く泣く断念しました……( ;∀;)

おそらく他のゴンドラパーツも同じような価格帯だと思い、万年金欠の私でも手に入れられる商品を探し回ったところ、木製模型ゴンドラと出会いました!

店内では組立が完成したゴンドラも販売しているようでしたが、帰国時の荷造りが困難になることや「ベネチアの象徴であるゴンドラを、自分の手でイチから製作してみたい!!」との思いから、模型キットを購入しました!

約10年前のことで記憶も定かではないですが、模型は数千円で購入したと思います。

購入時は意気揚々でしたが、実は人生で一度も模型やプラモの類を組み立てた経験が無いんです……(苦笑)この決断が思わぬ事態に……!?

製作開始!するはずが……?

ベネチアの街を堪能して帰国の途に就き、いよいよ製作に取り掛かっていく!!

……はずでしたが、当時は仕事の影響で心身ともに疲弊が著しく、休日も身体を休めて一日が終わるような生活サイクルが続いており、なかなか着手できませんでした……

何度かまとまった時間が取れるタイミングもあったのですが「まぁなんだ、今は時期が悪いわね……」と謎の言い訳を繰り返した結果、気づけば購入から約10年が経過してしまいました……(;´Д`)

長期間にわたって物置の隅でひっそりと佇んでいたのですが、ARIAベネチアツアー2024をはじめとした多くの良き縁に恵まれた事で「このタイミングで組立しなければ一生未完成のままだ!!!!」と一念発起して、ようやく製作に取り組みました(`・ω・´)!!

「熱しやすく冷めやすい」なのは私の悪い癖ですねぇ、、、

皆さんとのふれあいのおかげで、ようやく重い腰を上げることができましたm(__)m

頼もしい味方たち!

模型製作未経験かつ約10年も放置していた人間が一人で立ち向かうのは不可能だと思い「ガンプラ製作の経験豊富な友人」に助けを求めました(笑)

事情を説明して快諾してもらったあと、当初はその友人宅で作業を行う予定でしたが「組立後の塗装はどうする?」と問いかけられました。

木目調のまま展示することも考えましたが「ベネチアのゴンドラらしさを出すなら、塗装の工程は外せない!」と思い直し、木製模型に適した塗料を探し始めました。

ですが、模型製作素人の私には、塗料ひとつを調べるだけでも非常に難解な作業でした……なんとか探し出した塗料も、複数色のセット売りで数千円と想定以上に高価な品物でとても驚きました……(;゚Д゚)

組立以外の工程で突如現れた壁に焦りましたが、情報収集を続けていると「プラモデルや模型製作の作業スペースを貸出してくれるサービスがある」との情報をキャッチしました!

「レンタルスペース」と呼ばれるサービスで、作業スペースはもちろん、サービス内容によっては組立・塗装時に必要な各種機材や設備も利用できるという、初心者から上級者までうってつけのサービスです。

上記サイトに掲載されている各レンタルスペースから、費用・設備・アクセスといった条件に合った場所を探したところ、代々木上原の「CRAFTNEST:クラフトネストさん」にて製作にチャレンジすることとなりました!

HPに掲載しているお店の雰囲気や、問い合わせ時の回答が丁寧でありがたかったです!

店主さんは自動車模型をはじめ、ガンプラやフィギュアなど幅広いジャンルでの製作経験が豊富な方で、手厚くサポートしていただきました(*´▽`*)

10年越しの製作開始!

友人にスケジュール調整してもらい、2024年のゴールデンウイーク前半にクラフトネストさんに伺いました!

お店の方と友人には模型キットの特徴を事前共有していましたが、実物を見てもらうと「想定以上に難易度高いかも……」とのつぶやきが……(´・ω・`)

というのも、主に以下の4点が気になったそうです。

  1. 材質はおそらく「ベニヤ板」だが、ゴンドラの立体的な形状に組む際にバキッ!と折れないための力加減が求められる
  2. 大きいもので50cm、小さいもので数cmのパーツが50種類ほどある。それらを切り分ける工程でも、破損しないように注意が必要
  3. 海外製の木製模型なので、国内の木工ボンドや塗料が合うかどうかはやってみないと分からない
  4. 説明書が簡素すぎて、組立の工程を脳内で補完する必要がある(!?)

「組立図が簡素すぎる」点については、たしかに情報量が少なすぎる気がしました(苦笑)

購入したお店のHP内にも組立説明のページがありましたが、これらも参考にすることでなんとか完成させることができました(;^ω^)

留意点の数々に、10年越しのチャレンジに燃える私の出鼻が早くも挫かれました……(苦笑)

それでも頼もしい味方に見守られながら「やってみればなんとかなる!」の精神で作業に取り掛かりました!

模型キットには、約50cm幅のベニヤ板×2枚の中に、あわせて50種類ほどのパーツが配置されていました。

ゴンドラ本体にくわえて、上記で紹介したフォルコラやオール、お客さん用の椅子などの細かなパーツもあり、再現度が高い模型だと感じました!

パーツには船体の装飾部分も! Gilberto Penzoさんのこだわりを感じますねぇ……(*´Д`)

各パーツにはうっすらと番号が付けられていて、組立図に記載の番号と照らし合わせて組立していきました!

レンタルスペースで貸出されている彫刻刀をお借りして、黒線部分をなぞるように各パーツごとへ切り離しました!

手先が不器用なこともあり、すべてのパーツを切り出すだけでも2時間以上はかかりました……(;´Д`)

ゴンドラ本体に取り付ける装飾部品などはパーツが小さくて、細かい切り出し作業に手先も目も疲れました……また、紛失しないように管理するのが大変でした(苦笑)

一番大きなパーツの「船底・船の側面部分」の切り出しが完了!

慣れない作業で疲弊していたのか、本来は切り出しを行う黒線部分に沿ってボンドを垂らすという愚行に気づき、自身への呆れ笑いが止まりませんでした……\(^o^)/笑

友人いわく「組立工程の最初にして最難関」と言わしめた「船底・船の側面部分の接合作業」の様子です!

この作業でゴンドラ特有のボディラインが出来上がりますが、ベニヤ板特有の「しなりのある固さ」が、それを拒むように反発して大変でした……!

また、各パーツ同士をくっつけた時の接地面積が大きく、木工ボンドを塗りたくりましたが、乾燥するまでにバラバラとなってしまう事態に……

そこで、マスキングテープと洗濯バサミを用いてパーツ同士を無理やりくっつけましたが「バキッッッ!!」と折れてしまわないかを、常に心配しながらの作業となりました……(;´∀`)笑

全体的に友人のサポートのもと作業を行いましたが、この工程は友人メインでお願いしました……(;´Д`)

四苦八苦する友人の指示のもと、私はボンド塗り&マスキングテープ貼り付け担当として奮起しました!!(笑)

最難関の作業をなんとか完了させたものの、時刻を確認すると入店から5時間ほどが経過していました。

作業開始前は「6時間もあれば塗装含めて完了できるはず!」との概算を立てていましたが「塗装どころか、組立工程の2割しか進行していない現実」に絶望しました……\(^o^)/笑

そこで友人と相談し「別日に再度来店し、次回こそ完成させよう!」と誓ってお店を後にしました!

クラフトネストさんが「模型保管サービス(500円/月)」を行っていたことから、こちらを利用して預かってもらいました!

保管用の箱を持参していなかったのですが、お店の方が不要となったAmazon段ボールを改良してくれました!

模型の完成後、自宅に持ち帰る時にプレゼントして頂いたのもありがたかったです(*´ω`*)

延長戦突入!!

友人に再度スケジュール調整してもらった結果、GW後半にクラフトネストさんへ再訪できました!

前回の経験値を活かして、今回こそ完成できるように黙々と作業を進めました(`・ω・´)!

小さなパーツを複数組み合わせて、船内に載せる椅子を2脚製作しました!

一見上手に組めたと思いきや、横から見ると脚部分が斜めになっていて落胆……(´;ω;`)

「この失敗を次に活かそう!」と気を取り直して作業を進めました!

上記で紹介した「フォルコラ」も、各パーツ同士を合わせて再現できました!

オールもしっかりと掛けられるようになっており、だんだんと実物のゴンドラに近づいてきました!

船体の装飾飾りなどの細かいパーツも接着完了! 更にリアルなゴンドラになりました!

馬の形をした銀色のパーツは、模型キットに付属していた金具部品を船体に差し込んでいます。こちらの馬は「ヒッポカンポス(Hippocampus)」という名前で、ギリシャ神話に登場する半馬半魚の海馬だそうです。

調べてみると、ポセイドンの乗る戦車を牽いたことでも有名とのことでした。ゴンドラの装飾に用いられる理由は不明でしたが、おそらく縁起の良い生物として飾られているのだと思います!

ようやく全ての組立作業が完了しましたが、一息入れてすぐに塗装作業に取り掛かりました!

塗料の貸出も基本料金に含まれており、100種類以上の塗料が使い放題でした!

当初は、ARIAの世界にて一人前の操舵者のみが扱える「白のゴンドラ」を再現しようとしましたが、より重厚感を感じられる「黒のゴンドラ」に塗装することに決めました!

もしも模型キットを再入手できた際は、その時こそ「白のゴンドラ」を製作したいです……!

また、お店の方から「木製模型には水性塗料が適している」とのアドバイスも頂いたので、黒色の水性塗料をピックアップして作業を開始しました!

塗装には筆を使いましたが、筆塗りは小学生の以来の体験でした!

不器用なところや大雑把なところは当時のままですが、童心に帰った気分で楽しみながら作業できました(*´ω`*)

えいやと筆を走らせると、木目に黒が混ざり合って良き味わいとなっていきます……!

塗料がベニヤに吸われてしまうので、何度も筆塗りを繰り返しましたが、その度にあの日ベネチアで見たゴンドラが目の前に現れてきて感動が止まりませんでした……(ノД`)・゜・。

船体の大部分を黒く染め上げたので、お次は座席と船底部分を赤く染めていきました!

一言で赤といっても種類が多く迷いましたが「ワインレッド」というオシャレな名称の一目惚れしたので、今回はこちらの塗料を用いました(´艸`*)笑

赤塗り完了時の写真ですが「めっっっちゃエモい(*´▽`*)!!」と興奮しながら友人と盛り上がりました!!

この時、本来は塗ってはいけない箇所に黒塗りしてしまい落ち込んでいたのですが、そこから赤を上塗りしたところ「漕ぎ手の間で代々受け継がれてきた『歴史あるゴンドラ』のような味わい」が生み出されたようで、結果的にはミスして良かったです!(笑)

黒と赤の配色が見事に調和されていますね……!

塗装の世界は奥深いなぁと感心しつつ、全体を通じて一番楽しい作業でした!

塗装の工程も大部分が完了し、筆塗しづらい箇所をどのように塗装するかを迷っていたところ、お店の方と友人が「エアブラシを使ってみよう!」との提案がり、人生初のエアブラシにもトライしました!

使い方はとても簡単で、塗料を注入した状態からトリガーを引くと、先端から勢いよく霧状に散布されていきました!

エアブラシの貸出も塗料と同じく、基本料金に含まれていて使い放題でした!

製作前は組立だけでも行えれば上出来と思っていましたが、エアブラシを用いた塗装をはじめとした「模型製作の世界を体感できた」ので感無量でした(#^^#)!

10年越しの完成!!!!

最後の仕上げとして、お店の方につや消し作業を行ってもらうと「長年に渡って愛されてきたアンティーク家具」のような風体が醸し出されて、大満足なゴンドラ模型が完成しました!!

木工ボンドの跡が目立ったり、組立のバランスがずれていたりと完璧な造りではないかもですが、多くの方々の支援のもとで想像以上のゴンドラを創り出せたのがとても喜ばしかったです(*´▽`*)!

友人とお店の方にも大感謝で、ニコニコ笑顔で撮影してもらいました(笑)

お店の方お手製の段ボール箱に梱包して、無事に自宅へと持ち帰れました!

実は、ゴンドラ製作前に密かに抱いていた願望がございまして……それは「私が大好きな作品『ARIA』の登場キャラを、完成したゴンドラに乗せて撮影してみたい!!」という願いです……!

そんな私の思いを汲み取って頂いたかのように、2024年に「とあるグッズ」が販売されました!

フィギュアメーカー「グッドスマイルカンパニーさん」から「水無灯里ちゃん」と「アリス・キャロルちゃん」のねんどろいどが発売されました!!

今回製作した模型ゴンドラは幅が50cmあるので、こちらのねんどろいどなら船内に置くこともできそうです……!

普段はグッズをあまり購入しないのですが、こればかりは予約日に決済完了を済ませました(`・ω・´)!笑

ということで近日中に「完成した木製模型ゴンドラwithねんどろいど」の写真を、ブログに投稿したいと思います! そちらもぜひご覧頂ければうれしいです!

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